平方数を整数で割った余り

整数


平方数は \(n^2\) (\(n\) は整数) と書けます。
平方数を 2 から 9 までの整数で割った余りは以下のようになります。

平方数を2で割った余りは 0 か 1
平方数を3で割った余りは 0 か 1
平方数を4で割った余りは 0 か 1
平方数を5で割った余りは 0, 1, 4 のいずれか
平方数を6で割った余りは 0, 1, 3, 4 のいずれか
平方数を7で割った余りは 0, 1, 2, 4 のいずれか
平方数を8で割った余りは 0, 1, 4 のいずれか
平方数を9で割った余りは 0, 1, 4, 7 のいずれか

整数問題の3つのパターンのうちの1つ, “余りによる分類" で証明します。
関連:整数問題の3つの解法パターン

証明:平方数を2で割った余りは 0 か 1

任意の整数 \(n\) は \(2m,2m+1\) (\(m\) は整数) のいずれかの形で表されるから, 平方数は
\(n^2=(2m)^2=2\cdot2m^2\)
\(n^2=(2m+1)^2=4m^2+4m+1\\ \phantom{n^2}=2\cdot(2m^2+2m)+1\)
のいずれかである。
したがって,
平方数を2で割った余りは 0 か 1 である。

証明:平方数を3で割った余りは 0 か 1

任意の整数 \(n\) は \(3m,3m\pm1\) (\(m\) は整数) のいずれかの形で表されるから, 平方数は
\(n^2=(3m)^2=3\cdot3m^2\)
\(n^2=(3m\pm1)^2=9m^2\pm 6m + 1 \\\phantom{n^2}=3\cdot (3m^2\pm 2m)+1\)
のいずれかである。
したがって,
平方数を3で割った余りは 0 か 1 である。

証明:平方数を4で割った余りは 0 か 1

任意の整数 \(n\) は \(2m,2m+1\) (\(m\) は整数) のいずれかの形で表されるから, 平方数は
\(n^2=(2m)^2=4\cdot m^2\)
\(n^2=(2m+1)^2=4m^2+4m+1\\ \phantom{n^2}=4\cdot(m^2+m)+1\)
のいずれかである。
したがって,
平方数を4で割った余りは 0 か 1 である。

証明:平方数を5で割った余りは 0, 1, 4 のいずれか

任意の整数 \(n\) は \(5m,\,5m\pm1,\,5m\pm2\) (\(m\) は整数) のいずれかの形で表されるから, 平方数は
\(n^2 =(5m)^2=5\cdot5m^2\)
\(n^2 =(5m\pm1)^2=25m^2\pm10m+1\\ \phantom{n^2}=5\cdot(5m^2\pm2m)+1\)
\(n^2 =(5m\pm2)^2=25m^2\pm20m+4\\ \phantom{n^2}=5\cdot(5m^2\pm4m)+4\)
のいずれかである。
したがって,
平方数を5で割った余りは 0, 1, 4 のいずれかである。

証明:平方数を6で割った余りは 0, 1, 3, 4 のいずれか

任意の整数 \(n\) は \(6m,\,6m\pm1,\,6m\pm2,\,6m+3\) (\(m\) は整数) のいずれかの形で表されるから, 平方数は
\(n^2 =(6m)^2=6\cdot 6m^2\)
\(n^2 =(6m\pm 1)^2=36m^2\pm12m +1 \\\phantom{n^2}=6\cdot(6m^2\pm2m)+1\)
\(n^2 =(6m\pm 2)^2=36m^2\pm24m +4 \\\phantom{n^2}=6\cdot(6m^2\pm4m)+4\)
\(n^2 =(6m+ 3)^2=36m^2\pm36m+9 \\\phantom{n^2}=6\cdot(6m^2\pm6m+1)+3\)
のいずれかである。
したがって,平方数を6で割った余りは 0, 1, 3, 4 のいずれかである。

証明:平方数を7で割った余りは 0, 1, 2, 4 のいずれか

任意の整数 \(n\) は \(7m,\,7m\pm1,\,7m\pm2,\,7m\pm3\) (\(m\) は整数) のいずれかの形で表されるから, 平方数は
\(n^2=(7m)^2=7\cdot7m^2\)
\(n^2 =(7m\pm 1)^2=49m^2\pm14m +1 \\\phantom{n^2}=7\cdot(7m^2\pm2m)+1\)
\(n^2 =(7m\pm 2)^2=49m^2\pm28m +4 \\\phantom{n^2}=7\cdot(7m^2\pm4m)+4\)
\(n^2 =(7m\pm 3)^2=49m^2\pm42m +9 \\\phantom{n^2}=7\cdot(7m^2\pm6m+1)+2\)
のいずれかである。
したがって,
平方数を7で割った余りは 0, 1, 2, 4 のいずれかである。

証明:平方数を8で割った余りは 0, 1, 4 のいずれか

任意の整数 \(n\) は \(4m,\,4m\pm1,4m+2\) (\(m\) は整数) のいずれかの形で表されるから, 平方数は
\(n^2=(4m)^2=8\cdot 2m^2\)
\(n^2=(4m\pm1)^2=16m^2\pm8m+1 \\\phantom{n^2}=8\cdot(2m^2\pm m)+1\)
\(n^2=(4m +2)^2=16m^2+16m+4 \\\phantom{n^2}=8\cdot(2m^2+ 2m)+4\)
のいずれかである。
したがって,
平方数を8で割った余りは 0, 1, 4 のいずれかである。

証明:平方数を9で割った余りは 0, 1, 4, 7 のいずれか

任意の整数 \(n\) は \(9m,\,9m\pm1,\,9m\pm2,\,9m\pm3,\,9m\pm 4\) (\(m\) は整数) のいずれかの形で表されるから, 平方数は
\(n^2=(9m)^2=9\cdot9m^2\)
\(n^2 =(9m\pm 1)^2=81m^2\pm18m +1 \\\phantom{n^2}=9\cdot(9m^2\pm2m)+1\)
\(n^2 =(9m\pm 2)^2=81m^2\pm36m +4 \\\phantom{n^2}=9\cdot(9m^2\pm4m)+4\)
\(n^2 =(9m\pm 3)^2=81m^2\pm54m +9 \\\phantom{n^2}=9\cdot(9m^2\pm6m+1)\)
\(n^2 =(9m\pm 4)^2=81m^2\pm72m +16 \\\phantom{n^2}=9\cdot(9m^2\pm8m+1)+7\)
のいずれかである。
したがって,
平方数を9で割った余りは 0, 1, 4, 7 のいずれかである。