2から9までの倍数の判定法
ある整数について, 各桁の数字に注目して倍数を判定する方法を紹介します。
倍数の判定法
3の倍数:各桁の数字の和が3の倍数
4の倍数:下二桁が4の倍数
5の倍数:一の位の数字が5の倍数
6の倍数:一の位の数字が2の倍数で, 各桁の和が3の倍数
7の倍数:7で割りきれる
8の倍数:下三桁が8の倍数
9の倍数:各桁の数字の和が9の倍数
証明・解説
ここでは4桁の数で考えますが, 4桁でなくても同じ方法が使えます。
基本知識
十進法で \(\color{red}{abcd}\) と表される4桁の数を \(n\) とおく。(千の位がa, 百の位がb, 十の位がc、一の位がd)
このとき,
\(\color{red}{n=1000a +100b +10c +d}\) と書ける。
2の倍数の判定
\(n =1000a+100b+10c+d\)
\(\ \ \,=\underbrace{2(500a+50b+5c)}_{2\textbf{の倍数}}+d\)
したがって,
\(n\)が2の倍数 \(\Leftrightarrow\) \(d\) が2の倍数
例)3176 : 一の位が2の倍数だから3176は2の倍数
3の倍数の判定
\(n =1000a+100b+10c+d\)
\(\ \ \,=\underbrace{3(333a+33b+3c+d)}_{3\textbf{の倍数}}+a+b+c+d\)
したがって,
\(n\)が3の倍数 \(\Leftrightarrow\) \(a+b+c+d\) が3の倍数
例)7311 : 7+3+1+1=12 は3の倍数だから7311は3の倍数
4の倍数の判定
\(n =1000a+100b+10c+d\)
\(\ \ \,=\underbrace{4(250a+25b)}_{4\textbf{の倍数}}+10c+d\)
したがって,
\(n\)が4の倍数 \(\Leftrightarrow\) \(n\)の下二桁が4の倍数
例)2972 : 72は4の倍数だから2972は4の倍数
5の倍数の判定
\(n =1000a+100b+10c+d\)
\(\ \ \,=\underbrace{5(200a+20b+2c)}_{5\textbf{の倍数}}+d\)
したがって,
\(n\)が5の倍数 \(\Leftrightarrow\) \(d\) が5の倍数
例)2165 :一の位が5の倍数だから2165は5の倍数
6の倍数の判定
\(n\)が \(6\) の倍数 \(\Leftrightarrow\) \(n\)が \(2\) の倍数かつ \(3\) の倍数
\(\Leftrightarrow\) 一の位が 2 の倍数で, 各桁の和が 3 の倍数
例)1116 : \(n\)の一の位は2の倍数, 1+1+1+6=9 は3の倍数だから1116は6の倍数
一般に, \(a\) と \(b\) が互いに素のとき,
\(n\)が \(a\) の倍数かつ \(b\) の倍数 \(\Leftrightarrow\) \(n\) は\(ab\) の倍数
7の倍数の判定
7の倍数の判定法は実用的ではないので, 7で割って直接的に確かめるのがよい
8の倍数の判定
\(n =1000a+100b+10c+d\)
\(\ \ \,=\underbrace{8(125a)}_{8\textbf{の倍数}}+100b+10c+d\)
したがって,
\(n\)が8の倍数 \(\Leftrightarrow\) \(n\) の下三桁が8の倍数
例)9104 : 104は8の倍数だから9104は8の倍数
9の倍数の判定
\(n =1000a+100b+10c+d\)
\(\ \ \,=\underbrace{9(111a+11b+c)}_{9\textbf{の倍数}}+a+b+c+d\)
したがって,
\(n\)が9の倍数 \(\Leftrightarrow\) \(a+b+c+d\) が9の倍数
例)4644 : 4+6+4+4=18 は9の倍数だから4644は9の倍数