aのb乗とbのa乗はどちらが大きい?大小比較問題
\(a^b\) と\(b^a\) の大小関係
\(0 < a < b \leqq e\) のとき \(a^b < b^a \)
\(e\leqq a < b \) のとき \(a^b > b^a\)
ただし、\(e\,(\simeq 2.718\cdots)\) は自然対数の底である。
例:
\(1^2 < 2^1\)
\(3^4 > 4^3\)
\(2020^{2021} > {2021}^{2020}\)
解説
\(0 < a < b\) とおき
\(a^b\) と \(b^a\) の大小関係を調べる。
\(a^b\) と \(b^a\) の自然対数をとって \(\dfrac{1}{ab}\) 倍すると
\(\dfrac{\log{a}}{a}\) と \(\dfrac{\log{b}}{b}\) になる。
(自然対数をとって \(\dfrac{1}{ab}\) 倍しても大小関係は変わらない)
\(a^b\) と \(b^a\) の大小関係を調べる。
\(a^b\) と \(b^a\) の自然対数をとって \(\dfrac{1}{ab}\) 倍すると
\(\dfrac{\log{a}}{a}\) と \(\dfrac{\log{b}}{b}\) になる。
(自然対数をとって \(\dfrac{1}{ab}\) 倍しても大小関係は変わらない)
よって関数 \(y=\dfrac{\log{x}}{x}\) の増減を調べれば大小関係が分かる。
\(y^{\prime}=\dfrac{1-\log{x}}{x^2}\)
\(y^{\prime}=0 \) とすると \(x=e\)
\(y\) の増減表は次のようになる。
\(y\) は \(0 < x \leqq e\) において単調増加であり
\(0 < a < b \leqq e\) のとき
\(\dfrac{\log a}{a} < \dfrac{ \log b}{b} \)
\(\Leftrightarrow b\log a < a\log b\)
\(\Leftrightarrow e^{\log a^b} < e^{\log b^a} \)
\(\Leftrightarrow a^b < b^a \)
\(y\) は \(e \leqq x \) において単調減少であり
\(e \leqq a < b\) のとき
\(a^b > b^a \)