偶奇の一致の判定法・証明・例題
偶奇の一致の判定法と証明
2つの整数 \(a,b\) の偶奇が一致するかどうかを判定するには, 和 \(a+b\) の偶奇を調べればよいです。
偶奇の一致の判定法
\([1]\quad a+b\) が偶数 \(\Leftrightarrow\) \(a\) と \(b\) の偶奇は一致する
\([2]\quad a+b\) が奇数 \(\Leftrightarrow\) \(a\) と \(b\) の偶奇は異なる
この判定法を使えば, 整数問題でよく使われる次の性質を確認できます。
例: 2整数の和と差の偶奇は一致する
\(m,n\) を整数とすると
\((m+n)+(m-n)=2m\) は偶数なので
\(m+n\) と \(m-n\) の偶奇は一致します。
(以下の例題でもこれを使います。)
例: 隣り合う整数の偶奇は異なる
\(n\) を整数とすると
\(n+(n+1)=2n+1\) は奇数なので
\(n\) と \(n+1\) の偶奇は異なります。
補足
\(a\) と \(b\) の差を考えても偶奇の一致の判定ができます。
\([1]’\quad a-b\) が偶数 \(\Leftrightarrow\) \(a\) と \(b\) の偶奇は一致する
\([2]’\quad a-b\) が奇数 \(\Leftrightarrow\) \(a\) と \(b\) の偶奇は異なる
\(\)
例題
問題
\(x^2-y^2=12\) を満たす正の整数 \(x,y\) の組を求めよ。
方針
因数分解してかけ算の形にします。偶奇の一致や正の整数の条件を使って答えの候補を絞っていきます。
解答
\(\phantom{\Leftrightarrow}x^2-y^2=12\)
\(\Leftrightarrow (x+y)(x-y)=12\)
より,
\((x+y,\,x-y) \\
=(\pm 12,\,\pm 1),\,(\pm 6,\,\pm 2 ),\,(\pm 4,\pm 3),\\
\phantom{=\,}(\pm 3,\pm 4), (\pm 2,\pm 6),(\pm 1,\,\pm 12)\,(\textbf{複合同順})\)
\((x+y)+(x-y)=2x\) は偶数なので \(x+y\) と \(x-y\) の偶奇は一致するから
\((x+y,\,x-y)\\
=(\pm 6,\,\pm 2 ),(\pm 2,\pm 6)\)
\(x,y\) は正の整数なので \(x+y>0,\,\,x+y>x-y\) だから
\((x+y,\,x-y)=(6,2)\)
よって \(x=4,\,y=2\)
\(\Leftrightarrow (x+y)(x-y)=12\)
より,
\((x+y,\,x-y) \\
=(\pm 12,\,\pm 1),\,(\pm 6,\,\pm 2 ),\,(\pm 4,\pm 3),\\
\phantom{=\,}(\pm 3,\pm 4), (\pm 2,\pm 6),(\pm 1,\,\pm 12)\,(\textbf{複合同順})\)
\((x+y)+(x-y)=2x\) は偶数なので \(x+y\) と \(x-y\) の偶奇は一致するから
\((x+y,\,x-y)\\
=(\pm 6,\,\pm 2 ),(\pm 2,\pm 6)\)
\(x,y\) は正の整数なので \(x+y>0,\,\,x+y>x-y\) だから
\((x+y,\,x-y)=(6,2)\)
よって \(x=4,\,y=2\)