三角方程式の解き方と頻出問題
頻出の三角方程式
\(\sin x+\sin 2x +\sin 3x=0\)
を解く方針と解法2通りを紹介します。
例題と解答
例題
\(\sin x + \sin 2x + \sin 3x=0 \,\,(0\leqq x \leqq \pi)\) を解け。
解答
2倍角・3倍角の公式を用いて,
\(\sin x + \sin 2x + \sin 3x\)
\(=\sin x+2\sin x\cos x +3\sin x -4\sin^3 x\)
\(=\sin x (4+2\cos x -4\sin^2 x)\)
\(=2\sin x(2+\cos x -2\sin^2 x)\)
\(=2\sin x\{2+\cos x -2(1-\cos^2 x)\}\)
\(=2\sin x (2\cos^2 x + \cos x)\)
\(=2\sin x \cos x (2\cos x +1)=0\)
よって,
\(\sin x=0\) または \(\cos x=0\) または \(2\cos x +1 =0\)
\(\sin x=0\) のとき \(\color{red}{x=0,\pi}\)
\(\cos x=0\) のとき \(\color{red}{x=\dfrac{\pi}{2}}\)
\(2\cos x+1=0\) のとき
\(\cos x=-\dfrac{1}{2}\) より \(\color{red}{x=\dfrac{2}{3}\pi}\)
したがって,
\(\color{red}{x=0,\,\dfrac{\pi}{2},\,\dfrac{2}{3}\pi,\,\pi}\)
\(\sin x + \sin 2x + \sin 3x\)
\(=\sin x+2\sin x\cos x +3\sin x -4\sin^3 x\)
\(=\sin x (4+2\cos x -4\sin^2 x)\)
\(=2\sin x(2+\cos x -2\sin^2 x)\)
\(=2\sin x\{2+\cos x -2(1-\cos^2 x)\}\)
\(=2\sin x (2\cos^2 x + \cos x)\)
\(=2\sin x \cos x (2\cos x +1)=0\)
よって,
\(\sin x=0\) または \(\cos x=0\) または \(2\cos x +1 =0\)
\(\sin x=0\) のとき \(\color{red}{x=0,\pi}\)
\(\cos x=0\) のとき \(\color{red}{x=\dfrac{\pi}{2}}\)
\(2\cos x+1=0\) のとき
\(\cos x=-\dfrac{1}{2}\) より \(\color{red}{x=\dfrac{2}{3}\pi}\)
したがって,
\(\color{red}{x=0,\,\dfrac{\pi}{2},\,\dfrac{2}{3}\pi,\,\pi}\)
別解
\(\sin x+\sin 3x\)
\(=2\sin \dfrac{3x+x}{2} \cos \dfrac{3x-x}{2}\) (∵和積公式)
\(=2\sin 2x \cos x\)
より,
\(\sin x + \sin 2x + \sin 3x\)
\(=\sin 2x (2\cos x + 1)=0\)
よって,
\(\sin 2x=0\) または \(2\cos x + 1=0\)
\(\sin 2x=0\) のとき
\(\color{red}{x=0,\,\dfrac{\pi}{2},\pi}\)
\(1+2\cos x =0 \) のとき
\(\color{red}{x=\dfrac{2}{3}\pi}\)
したがって,
\(\color{red}{x=0,\,\dfrac{\pi}{2},\,\dfrac{2}{3}\pi,\,\pi}\)
\(=2\sin \dfrac{3x+x}{2} \cos \dfrac{3x-x}{2}\) (∵和積公式)
\(=2\sin 2x \cos x\)
より,
\(\sin x + \sin 2x + \sin 3x\)
\(=\sin 2x (2\cos x + 1)=0\)
よって,
\(\sin 2x=0\) または \(2\cos x + 1=0\)
\(\sin 2x=0\) のとき
\(\color{red}{x=0,\,\dfrac{\pi}{2},\pi}\)
\(1+2\cos x =0 \) のとき
\(\color{red}{x=\dfrac{2}{3}\pi}\)
したがって,
\(\color{red}{x=0,\,\dfrac{\pi}{2},\,\dfrac{2}{3}\pi,\,\pi}\)
三角方程式を解く方針
手順1
積の形を作る
三角関数を含む方程式は,足し算や引き算のままでは解くのが難しいです。
積の形にすることで,手順2のように解きやすくなります。
積の形を作る
三角関数を含む方程式は,足し算や引き算のままでは解くのが難しいです。
積の形にすることで,手順2のように解きやすくなります。
手順2
\(A\cdot B=0\) のとき, \(A=0\) または\(B=0\)
を用いて方程式を解く