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整数変数の関数の最大値を求める方法

関数・方程式と不等式


整数を変数に持つ関数は,確率の計算問題などで登場します。(n回目に〇〇する確率をf(n)とおくと何回目に最も確率が大きくなるか,等)

このような関数の最大値・最小値を求めるときに、微分を使うことはあまりないです。
f(n)とf(n±1)の差や分数で考えるのが定石です。

問題

f(n)=(n1)(n2)(45)n が最大となる n を求めよ。 (n3 以上の自然数)

方針
整数を変数に持つ関数の最大値,最小値を求めるには,

方法1: f(n+1)f(n)の正負を調べる
方法2: f(n+1)f(n) と 1 の大小関係を調べる

まず、方法1での解答です。

解答1

f(n+1)f(n)

=n(n1)(45)n+1(n1)(n2)(45)n

=(45)n(n1){45n(n2)}

=(45)n(n1)(215n)

n3 のとき (45)n0,n10だから

f(n+1)f(n) の符号は 215n の正負で決まる。

(i) 215n>0 つまり n<10 のとき

f(n+1)>f(n)

(ii) 215n=0 つまり n=10 のとき

f(n+1)=f(n)

(iii) 215n<0 つまり n>10 のとき

f(n+1)<f(n)

よって,
f(3)<f(4)<<f(10)=f(11)>f(12)>f(13)>

したがって n=10,11のとき, f(n) が最大になる。 (答)

次に,方法2での解答です。

解答2

n3のとき,

f(n+1)f(n)=n(n1)(45)n+1(n1)(n2)(45)n=4n5(n2)

(i) 4n5(n2)>1 となるのは n<10 のとき

(ii) 4n5(n2)=1 となるのは n=10 のとき

(ii) 4n5(n2)<1 となるのは n>10 のとき

よって, f(3)<f(4)<<f(10)=f(11)>f(12)>f(13)>

したがって n=10,11のとき, f(n) が最大になる。 (答)