有理数係数のn次方程式の無理数解

関数・方程式と不等式


有理数係数のn次方程式の無理数解

\(p,q,r\) を有理数, \(\sqrt{r}\) を無理数, \(q\neq 0\) とする。
有理数係数の \(n\) 次方程式 \(f(x)=0\) が \(p+q\sqrt{r}\) を解にもてば,
\(p-q\sqrt{r}\) もまた解である。


証明

有理数係数の \(n\) 次方程式 \(f(x)=0\) が \(p+q\sqrt{r}\) を解にもつとき,
\(p-q\sqrt{r}\) もまた\(f(x)=0\) の解であることを証明します。
ただし, \(p,q,r\) を有理数, \(\sqrt{r}\) を無理数, \(q\neq 0\) とします。
方針
\(p+q\sqrt{r}\) と \(p-q\sqrt{r}\) を解にもつ2次方程式を \(g(x)=0\) とおきます。 \(f(x)\) を \(g(x)\) で割った式を用いて \(f(p-q\sqrt{r})=0\)を示せばよいです。
証明
\(g(x)=\{x-(p+q\sqrt{r})\}\{x-(p-q\sqrt{r})\}\) とおく。
\(g(x) \\
=(x-p-q\sqrt{r})(x-p+q\sqrt{r})\\
=(x-p)^2-(q\sqrt{r})^2 \\
=x^2-2px+p^2-q^2r\)
より, \(g(x)\) は有理数係数の2次式である。
\(f(x)\) を \(g(x)\) で割った式を
\(f(x)=g(x)Q(x)+Ax+B \quad\cdots(*)\)
とおくと, \(A,B\) はともに有理数である。(∵二つの有理数の和・差・積・商は有理数)
\((*)\) に \(x=p+q\sqrt{r}\) を代入すると,
\(f(p+q\sqrt{r})=0\)
\(g(p+q\sqrt{r})=0\) より,
\(0=A(p+q\sqrt{r})+B\)
\(A\neq 0\) とすると,
\(p+q\sqrt{r}=-\dfrac{B}{A}\\
\sqrt{r}=-\dfrac{B+pA}{qA}=(\textbf{有理数})\)
となり矛盾。
よって \(A=0\) , \(B=0\)
\(\therefore f(x)=g(x)Q(x)\)
\(g(p-q\sqrt{r})=0\) だから \(f(p-q\sqrt{r})=0\)
したがって, \(p-q\sqrt{r}\) も \(f(x)=0\) の解である。(終)

例題

文字係数を含む3次方程式の無理数解が1つ与えられているときに, 文字係数と他の解を求める問題です。

問題
\(a\) を有理数とする。 \(x^3-4x^2+2x+a=0\) の解の1つが \(1+\sqrt{3}\) であるとき, \(a\) の値と他の解をすべて求めよ。

解答

有理数係数の3次方程式なので, \(1-\sqrt{3}\) もまた解である。
もう1つの解を \(t\) とすると, 解と係数の関係より,
\(1+\sqrt{3}+1-\sqrt{3}+t=4\)
\((1+\sqrt{3})\cdot(1-\sqrt{3})\cdot t=-a\)
よって, \(t=2,a=4\)
\(\therefore \, a=4\), 他の解は \(1-\sqrt3 \, ,\,2\)