二項係数の公式

場合の数と確率二項係数


二項係数の公式

\((1)\quad{}_n{\rm{C}}_k=\dfrac{n!}{k!(n-k)!}\)

\((2)\quad{}_n{\rm{C}}_{n-k}={}_n{\rm{C}}_k\)

\((3)\quad k\cdot {}_n{\rm{C}}_k=n\cdot {}_{n-1}{\rm{C}}_{k-1}\)

\((4)\quad{}_n{\rm{C}}_k={}_{n-1}{\rm{C}}_k+{}_{n-1}{\rm{C}}_{k-1}\)

関連:二項係数がらみの和の計算については二項係数の和の計算 典型問題 をご覧ください。

(1)について

異なる \(n\) 個のものから \(k\) 個を選ぶ方法の総数を \({}_n{\rm{C}}_k\) で表します。
\({}_n{\rm{C}}_k\) を二項係数といいます。

\({}_n{\rm{C}}_k=\dfrac{n(n-1)\cdots (n-k+1)}{k!}\)

分母、分子に\(\color{blue}{(n-k)!}\) をかけると

\({}_n{\rm{C}}_k=\dfrac{n(n-1)\cdots(n-k+1)\times\color{blue}{(n-k)!}}{k!\times\color{blue}{(n-k)!}}\)
\(\quad\quad=\dfrac{n!}{k!\,(n-k)!}\)

特に, \({}_n{\rm{C}}_0={}_n{\rm{C}}_n=1\) です。

(2)の証明

(1)で \(k\) を \(n-k\) におきかえると
\({}_n{\rm{C}}_{n-k}=\dfrac{n!}{(n-k)!\,\{n-(n-k)\}!}\)
\(\quad\quad\quad =\dfrac{n!}{(n-k)!\,k!}\)
\(\quad\quad\quad ={}_n{\rm{C}}_k\)

例:\({}_5{\rm{C}}_4={}_5{\rm{C}}_{5-4}={}_5{\rm{C}}_1=5\)

場合の数としての解釈
\(n\) 人から \(k\) 人を選ぶのは、\(n\) 人から\(n-k\) 人を選ばないと決めることと同じ

(3)の証明

\(\dfrac{n}{k}\cdot{}_{n-1}{\rm{C}}_{k-1}\)
\(=\dfrac{n\cdot(n-1)!}{k\cdot(k-1)!\,\{(n-1)-(k-1)\}!}\)
\(=\dfrac{n!}{k!\,(n-k)!}={}_n{\rm{C}}_k\)

\(\therefore\, k\cdot {}_n{\rm{C}}_k=n\cdot {}_{n-1}{\rm{C}}_{k-1}\)

場合の数としての解釈
\(n\) 人から\(k\) 人のグループを作り、グループのリーダーを1人決める場合を考えます。

(a) \(n\) 人の中から \(k\) 人を選び、その中からリーダーを1人選ぶ場合の数は
\(k\cdot{}_n{\rm{C}}_k\)

(b) 先にリーダーを1人選び、残りの\(n-1\) 人から\(k-1\) 人を選ぶ場合の数は
\(n\cdot{}_{n-1}{\rm{C}}_{k-1}\)
(a) と(b) は同じなので, \(k\cdot {}_n{\rm{C}}_k=n\cdot {}_{n-1}{\rm{C}}_{k-1}\) が成立します。

(4)の証明

\({}_{n-1}{\rm{C}}_k+{}_{n-1}{\rm{C}}_{k-1}\)

\(=\dfrac{(n-1)!}{k!\,(n-k-1)!}+\dfrac{(n-1)!}{(k-1)!\,\{(n-1)-(k-1)\}!}\)

\(=\dfrac{(n-1)!}{k!\,(n-k-1)!}+\dfrac{(n-1)!}{(k-1)!\,(n-k)!}\)

\(=\dfrac{(n-1)!\,(n-k)}{k!\,(n-k)!}+\dfrac{(n-1)!\,k}{k!\,(n-k)!}\)

\(=\dfrac{(n-1)!\,(n-k+k)}{k!\,(n-k)!}\)

\(=\dfrac{n!}{k!\,(n-k)!}\)

\(={}_n{\rm{C}}_k\)

\(\therefore\, {}_n{\rm{C}}_k={}_{n-1}{\rm{C}}_k+{}_{n-1}{\rm{C}}_{k-1}\)

場合の数としての解釈
\(n\) 人から \(k\) 人を選ぶ方法を考えます。ここで, \(n\) 人のうち特定の1人(名前をAとする)に注目して場合分けすると次のようになります。

(a) Aを選ぶとき
残りの \(n-1\) 人から \(k-1\) 人の選び方は
\({}_{n-1}{\rm{C}}_{k-1}\) 通り

(b) Aを選ばないとき
残りの \(n-1\) 人から \(k\) 人の選び方は
\({}_{n-1}{\rm{C}}_k\) 通り

よって, \({}_n{\rm{C}}_k\) は (a) と (b) の和になります。