x+y+z=nを満たす整数の組の個数の求め方:1以上の場合と0以上の場合をそれぞれ解説

場合の数と確率


\(x+y+z=n\) を満たす整数の組\((x,y,z)\) を求める問題の解き方を説明します。

以下の2つの場合の違いを意識することが大事です。
(1) x, y, z が 1 以上(正の整数)の場合
(2) x, y, z が 0 以上(非負整数)の場合
つまり,『0を含めるか含めないか』の違いです。

玉と仕切りを用いた考え方をします。


x,y,z が1以上の場合

問題

\(x+y+z=n\) を満たす整数の組 \((x,y,z)\) は何通りあるか。
ただし, \(x,y,z,n\) は \(x\geqq 1,\,y\geqq1,\,z\geqq 1,\) \(n\geqq 3\) を満たす整数とする。

方針

玉(『〇』で表す)と, 仕切り(『|』で表す) を使った解法がよく使われます。

解答

\(n\) 個の〇を並べて, 〇と〇の間の \(n-1\) カ所から2カ所を選んで仕切りを入れる。仕切りで分けられた3つの部分の〇の個数を左から順に \(x,y,z\) とすればよい。
\(\underbrace{〇\cdots〇}_{x}|\underbrace{〇\cdots〇}_{y}|\underbrace{〇\cdots〇}_{z}\)

よって,
\( {}_{n-1}\rm{C}_2=\color{red}{\dfrac{(n-1)(n-2)}{2}}\) 通り


x,y,z が0以上の場合

問題

\(x+y+z=n\) を満たす整数の組 \((x,y,z)\) は何通りあるか。
ただし, \(x,y,z,n\) は \(x\geqq 0,\,y\geqq0,\,z\geqq 0,\) \(n\geqq 0\) を満たす整数とする。

前問と違って, \(x,y,z\) が \(0\) になってもよいと指定されています。

解答

\(n\) 個の〇と\(2\) 個の仕切りを並べる。仕切りで分けられた3つの部分の〇の個数を左から順に \(x,y,z\) とする。

\(n\) 個の〇と \(2\)個の仕切り|を並べて作られる順列(同じものを含む順列)を考えればよい。
\(\underbrace{〇\cdots〇}_{n\textbf{個}}\underbrace{||}_{2\textbf{個}}\)

よって,
\(\dfrac{(n+2)!}{n!\,2!}\)

\(=\color{red}{\dfrac{(n+2)(n+1)}{2}}\) 通り

(\(={}_{n+2}\rm{C}_2\) 通り)

補足
今回 \(x,y,z\) はゼロになってもよいので,
\(\underbrace{〇\cdots〇}_{x}|\underbrace{\phantom{0}}_{y}|\underbrace{〇\cdots〇}_{z}\)
のように,空の部分があってもよいです。
前問と違って, 仕切りを置く場所は〇と〇の間だけに限定しなくてもよいので,単にn個の〇と2個の仕切りを並べる順列を考えればよいです。