数列の和と一般項の関係

数列


数列の和から一般項を求める公式を紹介します。

数列の和と一般項の関係

数列の和と一般項の関係

数列 \(\{a_n\}\) の初項から第 \(n\) 項までの和を \(S_n\) とおくと,

\(a_1=S_1\)
\(a_n=S_n-S_{n-1}\) (\(n\geqq 2\) のとき)

\(n=1\) のとき,
\(S_1=a_1\)

\(n\geqq 2\) のとき,
\(S_{n\phantom{-1}}=a_1+a_2+\cdots +a_{n-1}+a_n\)
\(S_{n-1}=a_1+a_2+\cdots +a_{n-1}\)
辺々引くと
\(S_n – S_{n-1}=a_n\)
以上から, 数列の和と一般項の関係が得られます。

\(S_n – S_{n-1}=a_n\) は \(n\geqq 2\) のときにのみ使います。(\(n=1\) のとき\(S_0\) が現れてしまうため)

例題

基本的な問題を2つ紹介します。

例題1

数列 \(\{a_n\}\) の初項から第 \(n\) 項までの和を \(S_n\) とする。
\(S_n =n^3\) のとき, \(\{a_n\}\) の一般項を求めよ。

解答

\(n=1\) のとき, \(a_1=S_1=1\)
\(n\geqq2\) のとき,
\(a_n =S_n-S_{n-1} \\
\phantom{a_n}=n^3-(n-1)^3\\
\phantom{a_n}=n^3-(n^3-3n^2+3n-1) \\
\phantom{a_n}=3n^2-3n+1\)
この式で \(n=1\) とすると,
\(a_1=3-3+1=1\) なので, この式は \(n=1\) のときも成り立つ。
よって, \(\color{red}{a_n=3n^2-3n+1}\)

例題2

数列 \(\{a_n\}\) の初項から第 \(n\) 項までの和を \(S_n\) とする。
\(S_n =(n+1)(n+2)\) のとき, \(\{a_n\}\) の一般項を求めよ。

解答

\(n=1\) のとき,
\(a_1=S_1=2\cdot 3=6\)
\(n\geqq2\) のとき,
\(a_n=S_n-S_{n-1} \\
\phantom{a_n}=(n+1)(n+2)-n(n+1)\\
\phantom{a_n}=(n+1)(n+2-n) \\
\phantom{a_n}=2n+2\)
よって,
\(\color{red}{a_1=6}\)
\(\color{red}{a_n=2n+2\,\,(n\geqq2\,\textbf{のとき})}\)

例題2のように, 一般項を1つの式にまとめられない場合もあります。